K リハビリテーション病院に勤務する管理栄養士である。
患者は、67歳、女性。
夫は他界しており、娘家族と同居。
健診で、高血圧症を指摘されていた。
アテローム血栓性脳梗塞の発症後、急性期病院での治療を経て、右片麻痺に対する運動機能リハビリテーションのために当院へ転院してきた。
軽度嚥下障害があるが、 軟菜食と液体にはとろみを付けることで対応できている。
脳梗塞の発症前は、身長 156 cm、体重 63 kg、BMI 25.9 kg/m2。
食事は、娘が準備しており、間食に自分で買ってきたみたらし団子をよく食べていた。
転院時は、体重 55 kg、BMI 22.6 kg/m2。
血圧 120/62 mmHg。
血清アルブミン値 3.2 g/dL、eGFR 92 mL/分/1.73 m2。
安静時エネルギー消費量 1,100 kcal/日。
栄養管理計画の作成に当たり、医師等と連携して、この患者の1日当たりの栄養補給量を検討した。
その組合せとして、最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
エネルギー(kcal/日) たんぱく質(g/日)
正答4
解説
正解は4です。
脳梗塞後のリハビリテーション目的で転院した67歳の女性です。
体重は発症前の63kgから55kgへ8kg(約13%)減少し、血清アルブミン3.2g/dLと低栄養の状態です。
eGFR 92mL/分/1.73m2で腎機能は正常のため、たんぱく質を制限する必要はありません。
【計算】
エネルギー=安静時エネルギー消費量×活動係数(リハビリ中は1.3〜1.5程度)
1,100×1.5=1,650kcal/日
体重を回復させるため、これにエネルギーを上乗せして約1,700kcal/日とします。
たんぱく質(1.2〜1.5g/kg体重)=55×1.2〜1.5=66〜82.5g/日
【選択肢別解説】
1:× 1,200kcalは安静時エネルギー消費量とほぼ同じで、リハビリによる消費が考慮されていません。
低栄養の改善はできず、たんぱく質60gも不足しています。
2:× たんぱく質80gは適切です。
しかし、エネルギー1,200kcalでは不足するため、たんぱく質がエネルギー源として使われ、筋肉の合成に生かされません。
3:× エネルギー1,700kcalは適切です。
しかし、たんぱく質60gは約1.1g/kgで、低栄養とリハビリ中の筋肉量の回復には不足します。
4:○ 1,700kcalは、リハビリによる消費と体重の回復を考慮した量です。
たんぱく質80gは約1.5g/kgで、腎機能が正常な患者の筋肉量の回復に適しています。
【ポイント】
回復期リハビリテーションでは、リハビリによる消費エネルギーと体重の回復分を加えた「攻めの栄養療法」が推奨されています。
低栄養のままリハビリを行うと、かえって筋肉量が減少するおそれがあります。