K 病院に勤務する管理栄養士である。
患者は、70歳、男性。
妻と二人暮らし。
数日前から食後に嘔吐を繰り返しており、 食事が食べられなくなったため、近医を受診した。
胃がんの疑いがあると近医から当院を紹介され受診し、内視鏡検査の結果、幽門狭窄を認める胃がんと診断され入院した。
身長 168 cm、体重 55 kg、BMI 19.5 kg/m2。
血圧 116/70 mmHg。
入院時の血液検査値は、総たんぱく質 6.0 g/dL、アルブミン 3.0 g/dL、Hb 10.6 g/dL。
患者は、2週間後に胃亜全摘術を受ける予定である。
手術前日までの栄養補給法として、最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答2
解説
正解は2です。
患者は幽門狭窄を伴う胃がんで、食後の嘔吐が続き、経口摂取ができません。
アルブミン3.0 g/dLと低栄養もあり、手術までの2週間に栄養状態を改善する必要があります。
狭窄部より先の腸管は機能しているため、腸を使う経腸栄養法が優先されます。
【選択肢別解説】
1:× 流動食でも、口から摂取したものは狭窄した幽門を通過しにくく、嘔吐を繰り返すおそれがあります。
2:○ 経鼻十二指腸管は、チューブの先端を狭窄部より先の十二指腸に留置します。
胃を通過させずに腸管を使って栄養補給ができるため、最も適切です。
3:× 末梢静脈栄養で投与できるエネルギーは限られます。
2週間にわたり必要量を満たすことは難しいです。
4:× 中心静脈栄養は、腸管が使えない場合に選択します。
腸が機能している本症例では、感染などの合併症リスクがあり優先されません。
【ポイント】
「腸が使えるなら腸を使う」が栄養補給法の選択の原則です。
上部消化管に狭窄があるときは、狭窄部を越えた位置にチューブを置く経腸栄養を考えます。