A社は顧客管理システムの開発を,情報システム子会社であるB社に委託し,B社は要件定義を行った上で,ソフトウェア設計・プログラミング・ソフトウェアテストまでを,協力会社であるC社に委託した。
C社では自社の社員Dにその作業を担当させた。
このとき,開発したプログラムの著作権はどこに帰属するか。
ここで,関係者の間には,著作権の帰属に関する特段の取決めはないものとする。
正答3
解説
正解は3です。
業務委託が重なるソフトウェア開発で、特段の取決めがない場合にプログラムの著作権がどこに帰属するかを問う問題です。
著作権は、原則として実際にプログラムを作った者に帰属します。
ただし、著作権法の職務著作の規定(第15条)により、法人の発意に基づいて従業員が職務上作成したプログラムは、契約や勤務規則に別段の定めがない限り、その法人が著作者になります。
プログラムの著作物では、一般の著作物と違って、法人名義で公表することは要件になっていません。
【選択肢別解説】
1:× A社は開発を委託した発注者です。
費用を負担していても、契約で著作権の譲渡を定めていなければ、著作権はA社に移りません。
2:× B社は要件定義を行いましたが、プログラムの作成はC社に委託しています。
プログラムを作成していないB社には、著作権は帰属しません。
3:○ プログラムを作成したのはC社の社員Dで、職務として作成しています。
職務著作の規定により、C社が著作者となり、著作権はC社に帰属します。
4:× 社員DはC社の職務として作業したので、職務著作により著作者はC社になります。
社員D個人には帰属しません。
【ポイント】
委託開発では、発注者が著作権を得るには契約で著作権の譲渡を定める必要があります。
派遣社員が派遣先の指揮命令で作成した場合は、派遣先が著作者となる点と区別しましょう。