27 歳の男性。
企業のラグビー選手として試合中に転倒し、左肩痛を訴えて受診した。
来院時のエックス線単純写真(別冊 No. 2)を別に示す。
患者はスポーツ選手を継続することを希望している。
治療として適切なのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
前問と同じ症例で、エックス線では鎖骨外側端が肩峰より大きく上方に転位した肩鎖関節脱臼を認めます。
転位が大きいことは、肩鎖靱帯だけでなく烏口鎖骨靱帯も断裂していることを示します。
スポーツの継続を希望する選手に適した治療を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 安静だけでは、上方に転位した鎖骨は元の位置に戻りません。
不安定性が残り、競技への復帰に支障をきたします。
2:○ 靱帯が断裂して転位が大きい肩鎖関節脱臼では、観血的整復と靱帯再建・固定を行う手術療法が選択されます。
コンタクトスポーツを続ける選手では、安定した肩を得るために手術が勧められます。
3:× 超音波療法は、軟部組織の温熱や疼痛の軽減に用いる物理療法です。
脱臼した関節を整復する効果はありません。
4:× 肩鎖関節はギプスで整復位を保つことが難しく、脱臼の根本治療になりません。
肩全体の長期固定は拘縮の原因にもなります。
5:× ホットパックは表在の温熱療法で、痛みや筋緊張の緩和に用います。
受傷直後の急性期にはむしろ炎症を強めるおそれがあり、整復の効果もありません。
【ポイント】
肩鎖関節脱臼は軽症(捻挫・亜脱臼)なら保存療法、転位の大きい完全脱臼では手術療法を考えます。
患者の年齢・職業・競技への復帰希望も治療選択に影響します。