35歳の男性。
実業団の長距離選手だったが、ランニング中の交通事故で左脛骨中央部での下腿切断となった。
切断術後4週が経過し、左膝関節に軽度の側方不安定性と軽度の筋力低下があるものの、断端は成熟し皮膚の状態は良好となった。
スポーツ復帰を念頭に義足を製作することとした。
義足での歩行練習開始後、義足側の立脚初期に過度の膝屈曲がみられた。
原因として考えられるのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
下腿義足では、立脚初期に踵が接地したあと、義足足部の底屈によって衝撃を吸収します。
この底屈が妨げられると、下腿部が前方へ押し出され、膝が過度に屈曲します。
【選択肢別解説】
1:× 股関節の伸展制限は、立脚後期の股関節伸展が不足する原因になります。
立脚初期の過度な膝屈曲の直接の原因ではありません。
2:○ 義足足部の踵(底屈制動)が硬すぎると、踵接地後に足部が十分底屈しません。
踵を支点に下腿が前方へ倒され、立脚初期に膝が過度に屈曲します。
3:× toe-out 角が大きすぎると、立脚期に膝へ内反・外反方向の力がかかります。
足部の向きの問題であり、立脚初期の膝屈曲の原因にはなりません。
4:× ソケットの初期屈曲角が小さすぎると、膝は伸展位に近づきます。
過度な膝屈曲ではなく、膝の伸展(反張)傾向の原因になります。
初期屈曲角が大きすぎる場合に膝が過度に屈曲します。
5:× ソケットに対して足部が前方に位置しすぎると、膝を伸展させる力が働きます。
過度の膝屈曲は、逆に足部が後方に位置しすぎる場合に起こります。
【ポイント】
立脚初期の過度の膝屈曲の原因は、踵が硬すぎる、足部が後方にある、初期屈曲角が大きい、の3つが代表です。
逆に、膝の伸展傾向は、踵が柔らかすぎる、足部が前方にある、初期屈曲角が小さい場合に起こります。