46歳の男性。
前日夜に冷たい風に当たり、翌朝目が覚めると右顔面の腫れぼったさを感じた。
昼食時に食事が口からこぼれることに気が付き、近くの神経内科を受診した。
開眼安静時の顔面の状態を図に示す。
この患者で正常に保たれる運動はどれか。
正答4
解説
正解は4です。
冷たい風に当たった翌朝に一側の顔面がおかしくなる経過は、末梢性顔面神経麻痺(Bell 麻痺)の典型です。
図では右側の表情筋が弛緩し、眼裂や口の形が左右非対称で、口角がゆがんでいます。
顔面神経(第Ⅶ脳神経)は表情筋を支配しますが、咀嚼筋は支配しません。
【選択肢別解説】
1:× 額にしわを寄せるのは前頭筋の働きで、顔面神経支配です。
末梢性麻痺では額のしわ寄せもできなくなります。
2:× 眉をひそめるのは皺眉筋の働きで、顔面神経支配です。
麻痺側では障害されます。
3:× まぶたを閉じるのは眼輪筋の働きで、顔面神経支配です。
麻痺側は閉眼が不十分になり、兎眼となります。
4:○ 奥歯を噛むのは咬筋や側頭筋の働きで、三叉神経(第Ⅴ脳神経)の下顎神経が支配します。
顔面神経麻痺では障害されず、正常に保たれます。
5:× 口唇を閉じて突き出すのは口輪筋の働きで、顔面神経支配です。
麻痺側では口角から食物がこぼれます。
【ポイント】
末梢性顔面神経麻痺では額のしわ寄せもできません。
中枢性(核上性)麻痺では両側支配のため額のしわ寄せが保たれる点と区別します。