52 歳の女性。
廃用による身体機能の全般的な低下によりバランス能力低下があり、バランス能力の改善を目的とした運動療法を行っている。
開始当初、立位保持も困難であったが、現在は立位で物的な介助がなくても左右前後の重心移動が可能となってきている。
歩行は平行棒内で両手を支持して軽介助である。
次に行うバランス練習として最も適切なのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
バランス練習は、支持面を広く安定した状態から狭く不安定な状態へと段階的に難しくします。
本症例は立位で重心移動ができ、平行棒内歩行は両手支持で軽介助の段階です。
【選択肢別解説】
1:× 杖歩行は片手で杖を使う歩行で、両手支持で軽介助の現状よりも難しい課題です。
まず平行棒内での歩行が安定してから進めます。
2:× タンデム歩行は支持基底面が非常に狭く、高いバランス能力を要します。
上肢支持なしで行うのは、現在の能力をはるかに超えています。
3:× 外乱を加える練習は、支持なしでの立位が十分安定してから行います。
現段階で上肢支持なしに外乱を加えると、転倒の危険が高くなります。
4:○ 片手で支持しながらのステップ練習は、支持面を変化させる動的なバランス練習です。
両手支持から片手支持へと一段階だけ難しくしており、歩行に必要な片脚支持と重心移動を練習できます。
5:× 両手でボールを持つと上肢による支持が使えなくなります。
上肢支持なしの立位での練習であり、現段階の次の課題としては難しすぎます。
【ポイント】
バランス練習の難易度は、支持面の広さ、上肢支持の有無、静的か動的か、外乱の有無で調整します。
現在の能力より一段階だけ難しい課題を選ぶことが、段階づけの原則です。