52 歳の女性。
踏み台から転落して左踵骨骨折を受傷し、手術が行われた。
術後翌日の単純エックス線写真(別冊No. 3)を別に示す。
この患者に対する運動療法で正しいのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
術後翌日の足部側面像では、踵骨隆起の後方から3本の鋼線が刺入され、踵骨体部を貫いて前方の骨まで達しています。
鋼線で骨片を固定した直後の時期で、骨折部とその周囲の関節には負荷をかけないことが原則です。
【選択肢別解説】
1:× 鋼線は踵骨から前方の骨へ向かって刺入され、距骨下の関節周囲を固定しています。
術後翌日から足関節(距腿関節)の可動域練習を行うと、骨片の転位を招くおそれがあります。
2:○ 膝関節は骨折部から離れており、動かしても踵骨に負荷はかかりません。
術後翌日から可動域練習を行い、拘縮や筋力低下などの廃用を予防します。
3:× 踵骨は立位で体重を直接受ける骨です。
術後翌日からの部分荷重は骨片の転位や鋼線の折損を招くため、数週間以上は免荷とし、骨癒合を確認しながら荷重を始めます。
4:× 距踵関節(距骨下関節)は骨折の及ぶ関節で、鋼線で固定されています。
術後1週の時点でこの関節に筋収縮の力を加える運動は、骨折部に負担をかけるため行いません。
5:× 足趾のMP関節(中足趾節関節)は骨折部から離れており、術後早期から動かせます。
むくみや拘縮を防ぐため、2週まで待たずに術後翌日から自動運動を始めます。
【ポイント】
骨折術後は、固定範囲外の関節はできるだけ早く動かし、骨折部に関わる関節と荷重は骨癒合の進み具合に合わせて段階的に進めます。