75 歳の男性。
2 型糖尿病でインスリン療法中。
腎症、高血圧症および増殖前網膜症を合併しており、週 3 回血液透析と理学療法のため外来通院している。
運動療法で正しいのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
本例はインスリン療法中の2型糖尿病で、糖尿病腎症による血液透析を受け、増殖前網膜症を合併しています。
インスリン使用中の患者では運動による低血糖に注意が必要です。
透析患者には水分制限があり、網膜症がある場合は血圧を急に上げる強い運動を避けます。
【選択肢別解説】
1:× 透析日の運動は禁忌ではありません。
透析中や非透析日にも、全身状態をみながら運動療法を行うことが推奨されています。
2:× HbA1c(ヘモグロビンA1c)は過去1〜2か月の平均的な血糖状態を示す指標で、運動強度の決定には用いません。
運動強度は心拍数や自覚的運動強度などで決めます。
3:× 透析患者は体内に水分が貯留しやすく、厳格な水分制限が必要です。
口渇が改善するまで飲水させると、体液過剰や心不全を招きます。
4:○ インスリン使用中の患者では、運動により血糖が下がりやすくなります。
倦怠感、冷汗、動悸、手のふるえなどは低血糖症状の可能性があり、血糖を確認して対応します。
5:× 2型糖尿病の運動療法の主な目的は、インスリン抵抗性の改善(インスリン感受性の向上)です。
インスリン分泌能の改善が主目的ではありません。
【ポイント】
糖尿病の運動療法では、インスリンや経口血糖降下薬の使用者の低血糖に常に注意します。
増殖前網膜症や増殖網膜症では、息こらえや強い筋力運動など血圧を急に上げる運動を避けます。