75 歳の男性。
一人暮らし。
歩行時のふらつきを主訴に来院した。
以前から食事が不規則で、 5 日前から食事を摂らなくなった。
上肢に明らかな異常はないが、下肢筋力は MMT4レベルで、下肢遠位優位のしびれ感がある。
膝蓋腱反射は亢進しているが、アキレス腱反射は低下し、Babinski 反射は陽性だった。
眼振は認めない。
血清ビタミン B12 の低下を認めた。
重心動揺検査結果(別冊No. 3)を別に示す。
この患者の左右へのバランス障害に対する踵の補正で適切なのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
重心図の右の図では、動揺が特に左右方向へ大きく広がっています(左右におよそ−6〜+4cm)。
そのため、立位での左右の支持を広げる補正が求められます。
踵の補正は、踵を内外どちらに広げるか・傾けるかで目的が変わります。
【選択肢別解説】
1:× SACHヒールは踵部に緩衝材を入れた補正です。
踵接地時の衝撃を吸収し、足関節の動きを補うもので、左右のバランスは補いません。
2:× Thomasヒールは踵の内側を前方へ延長した補正です。
内側縦アーチを支え、扁平足や外反足に用います。
3:○ 外側フレアヒールは踵の外側を張り出させて広げる補正です。
足底の支持面が外側へ広がるので、左右方向の安定性が高まります。
4:× 逆Thomasヒールは踵の外側を前方へ延長した補正です。
外側縦アーチを支えて内反足などに用いるもので、支持面を左右に広げる目的ではありません。
5:× 内側ウェッジヒールは踵の内側を高くした補正です。
踵骨の外反を矯正するもので、左右へのバランス障害の補正には用いません。
【ポイント】
フレアヒールは「支持面を広げる」、ウェッジは「傾けて矯正する」、Thomasヒールは「アーチを支える」と整理しましょう。