関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準1995 年)に従って左股関節屈曲を行ったところ、疼痛の訴えはないが図のような状態となったため測定を中断した。
この状態の説明で正しいのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
図では、背臥位で左股関節と膝を屈曲させたところ、伸ばしていた反対側(右)の大腿がマットから浮き上がり、右股関節が屈曲しています。
これはThomasテスト陽性と同じ現象で、反対側の股関節屈曲拘縮を示します。
【選択肢別解説】
1:× 骨盤は後傾させるのではなく、動かないように十分固定して測定します。
股関節屈曲の測定では骨盤の後傾が代償運動となるため、これを防ぐことが原則です。
2:× 股関節屈曲の基本軸は体幹と平行な線です。
移動軸が大腿骨(大転子と大腿骨外顆の中心を結ぶ線)です。
3:× 股関節屈曲の参考可動域は150度ではなく125度です。
4:× 腸骨大腿靱帯は股関節の前面にあり、屈曲ではなく伸展を制限します。
屈曲の制限因子は大殿筋などの後面の軟部組織や、大腿と腹部の接触です。
5:○ 左股関節を屈曲すると骨盤が後傾し、右股関節は相対的に伸展方向へ引かれます。
右腸腰筋が短縮していると伸展できず、右大腿が持ち上がって股関節が屈曲します。
したがって右腸腰筋の短縮が疑われます。
【ポイント】
一側の股関節を屈曲したときに反対側の大腿が浮く現象はThomasテストの陽性所見です。
浮いた側(反対側)の腸腰筋の短縮、つまり股関節屈曲拘縮を意味します。