正答4
解説
正解は4です。
海外渡航後の発熱で末梢血の赤血球内に原虫がいれば、マラリアを考えます。
マラリアの種類は、感染赤血球の大きさと原虫の形で見分けます。
図では、周囲の赤血球とほぼ同じ大きさで、腫大していない赤血球の中に原虫がみられます。
原虫は赤血球を横切る帯状で、赤紫色の核と褐色の色素を伴っています。
これは四日熱マラリア原虫の栄養体に特徴的な帯状体(band form)です。
シュフナー斑点のような赤血球内の顆粒もみられません。
【選択肢別解説】
1:× 住血吸虫症は、成虫が門脈系や膀胱静脈叢に寄生する吸虫症です。
診断は便や尿中の虫卵で行い、赤血球内に原虫がみられることはありません。
2:× フィラリア症では、末梢血中にミクロフィラリアがみられます。
ミクロフィラリアは赤血球よりはるかに大きな細長い虫体で、赤血球の外に存在します。
3:× 熱帯熱マラリアでは、赤血球は腫大せず、小さな輪状体が多数みられます。
1個の赤血球に複数の原虫が感染する多重感染や、バナナ状の生殖母体が特徴で、帯状体はみられません。
4:○ 四日熱マラリアでは、感染赤血球は正常大かやや小さく、帯状の栄養体がみられます。
図の所見がこれに一致します。
分裂体はメロゾイトが花びら状に並ぶ「菊花状」になり、72時間ごとに発熱します。
5:× トリパノソーマ症では、鞭毛と波動膜をもつ紡錘形の原虫が赤血球の外(血漿中)にみられます。
赤血球内に寄生する原虫ではありません。
【ポイント】
赤血球が腫大してシュフナー斑点があれば三日熱・卵形、腫大しなければ熱帯熱・四日熱と考えます。
「帯状体」は四日熱マラリア、「多重感染とバナナ状生殖母体」は熱帯熱マラリアの決め手です。