17歳の女性。
発熱と頸部リンパ節腫脹を主訴に来院した。
血液検査では末梢血のリンパ球が著しく増加していた。
末梢血のMay-Giemsa染色標本(別冊No. 9)を別に示す。
考えられるのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
若年者の発熱、頸部リンパ節腫脹、リンパ球増加から、ウイルス感染による反応性の変化を考える問題です。
末梢血標本の細胞の特徴を読み取って診断につなげます。
図には、周囲の赤血球よりかなり大きなリンパ球が2個みられます。
細胞質は広く、青色に強く染まり、特に辺縁が濃い青色になっています。
細胞質の縁は隣の赤血球に押されて波打つように変形しています。
これらは異型リンパ球(反応性リンパ球)の典型的な所見です。
【選択肢別解説】
1:× ホジキンリンパ腫はリンパ節に大型のホジキン細胞やリード・シュテルンベルグ細胞がみられる腫瘍で、末梢血で異型リンパ球が著しく増えることはありません。
2:× 有毛細胞白血病は、細胞表面に毛のような突起をもつB細胞が増える白血病で、中高年の男性に多く、汎血球減少と脾腫が特徴です。
3:× 血球貪食症候群は、骨髄などでマクロファージが血球を貪食する病態で、血球減少が特徴です。
リンパ球の著しい増加とは合いません。
4:○ 伝染性単核球症はEBウイルスの初感染で、思春期から青年期に多くみられます。
発熱、咽頭痛、頸部リンパ節腫脹とともに、末梢血に図のような異型リンパ球が増加します。
5:× 多発性骨髄腫は高齢者に多い形質細胞の腫瘍で、骨痛、貧血、M蛋白が特徴です。
17歳での発症や異型リンパ球の増加とは合いません。
【ポイント】
伝染性単核球症では、異型リンパ球の増加、肝機能異常、EBウイルス抗体(VCA-IgM)陽性が診断の手がかりです。
異型リンパ球の多くは、活性化したT細胞です。