喀痰細胞診のPapanicolaou染色標本(別冊No. 7)を別に示す。
出現している細胞はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
別冊No.7は、喀痰のPapanicolaou染色標本です。
粘液を背景に、類円形の細胞が数個集まっています。
核は類円形〜腎臓形で小さく、クロマチンは細かく、核の異型はみられません。
細胞質は淡く泡沫状で、中に黒色の微細な粒子(炭粉)や黄緑色の顆粒を取り込んでいます。
これは異物を貪食した肺胞組織球(塵埃細胞)の像です。
【選択肢別解説】
1:× リンパ球は小型の円形細胞で、細胞質がごくわずかです。
本図の細胞は細胞質が豊富で、貪食した粒子を含んでいる点で異なります。
2:○ 肺胞組織球が出現しています。
肺胞にいるマクロファージで、吸い込んだ炭粉などの粒子を細胞質に取り込みます。
喀痰に肺胞組織球が出ていることは、検体が肺の深部から出た適正な喀痰である証拠にもなります。
3:× 小細胞癌細胞は、細胞質に乏しい小型の細胞が、核どうしを押し合うように集まって出現します。
核クロマチンが増量し、本図の細胞とは異なります。
4:× 気管支上皮細胞は円柱状の細胞で、一端に線毛をもちます。
本図の細胞は円形で線毛がなく、粒子を貪食している点で異なります。
5:× 扁平上皮癌細胞は、核が大きく濃く染まり、細胞質がオレンジ色に角化することが多い細胞です。
本図の細胞には核の異型や角化がありません。
【ポイント】
肺胞組織球は「泡沫状の細胞質と貪食した炭粉」が目印です。
心不全患者の喀痰では、ヘモジデリンを貪食した組織球(心不全細胞)がみられます。