幼稚園で肛囲検査法(セロファンテープ法)による虫卵検査を行い、1人の園児から虫卵が検出された。
虫卵の写真(別冊No.1)を別に示す。
とるべき対応はどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答2・5
解説
正解は2と5です。
写真の虫卵は長径50〜60 μm程度の左右非対称な楕円形で、片側が平らな「柿の種」形をしています。
卵殻は薄く無色透明で、内部に幼虫が形成されています。
これは蟯虫(Enterobius vermicularis)卵の特徴であり、肛囲検査法で検出されることとも一致します。
蟯虫は経口感染し、肛門周囲に産卵された虫卵による自家感染や家族内感染を繰り返します。
【選択肢別解説】
1:× 蟯虫症は虫卵の検出で診断するため、抗体検査は行いません。
集団での対策は虫卵検査と陽性者の駆虫です。
2:○ 陽性者にはピランテルパモ酸塩などの抗蠕虫薬を投与して駆虫します。
再感染が多いため、家族も同時に検査・治療するのが原則です。
3:× 蟯虫症に対するワクチンは存在しません。
予防は手洗いや爪切りなどの衛生習慣で行います。
4:× 蟯虫は蚊が媒介する寄生虫ではなく、虫卵の経口摂取で感染します。
蚊が媒介する蠕虫はフィラリアなどです。
5:○ 虫卵は寝具や下着に付着して家族内感染の原因になります。
寝具の日光消毒や下着の洗濯・熱湯処理で虫卵を減らすことは有効な対策です。
【ポイント】
蟯虫は夜間に肛門周囲へ移動して産卵するため、検査は起床直後の排便前にセロファンテープで行います。
虫卵は産卵後数時間で幼虫包蔵卵となり、すぐに感染性をもちます。