四肢誘導心電図(別冊No. 3)を別に示す。
正しいのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
心電図に人工的な鋭い波があるかどうかと、QRS波の形・幅に注目する問題です。
別冊No.3では、各心拍のQRS波の直前に、幅のきわめて狭い垂直な鋭いスパイクが規則正しく記録されています。
スパイクに続くQRS波は幅が広く、II・III・aVF誘導で深い陰性波を示しています。
I誘導などではQRS波の前にもう一つのスパイクがみられ、心房と心室の両方を刺激している可能性があります。
【選択肢別解説】
1:× 右脚ブロックではペーシングスパイクはみられません。
右脚ブロックはV1誘導のrsR′型と、I・V6誘導の幅広いS波で判断します。
2:× 房室ブロックでは、PQ時間の延長やP波の後のQRS波の脱落がみられます。
図ではスパイクの後に毎回QRS波が続いており、房室ブロックの所見ではありません。
3:× WPW症候群では、PQ時間が短縮しQRS波の立ち上がりにデルタ波がみられます。
図の鋭いスパイクはデルタ波とは異なります。
4:○ ペーシングリズムです。
QRS波の直前の鋭いスパイクは、ペースメーカーの電気刺激によるものです。
右室心尖部から刺激すると興奮が刺激伝導系を通らないため、QRS波は幅広くなり、下壁誘導で陰性になります。
5:× 不随意運動によるアーチファクトは、不規則で細かい揺れとして基線に重なります。
図のように一定のリズムで規則正しく出現することはありません。
【ポイント】
ペーシング心電図は「鋭いスパイク+直後の幅広いQRS波」が特徴です。
心房ペーシングではP波の前に、心室ペーシングではQRS波の前にスパイクが出ます。