正答3
解説
正解は3です。
心窩部からの斜走査では、肝臓の後方、椎体の前に下大静脈と腹部大動脈が横断面として描出されます。
患者の右側(画像の左側)にあるのが下大静脈、左側(画像の右側)にあるのが大動脈です。
図の所見を確認します。
矢印の構造は、肝臓の背側で椎体のすぐ前、画像の左寄り(患者の右側)にある無エコーの管腔です。
横断面はやや扁平な楕円形で、壁は薄く、強い高エコーの壁はみられません。
そのすぐ右(患者の左側)には、別の小さな円形の管腔が並んでいます。
位置関係と薄い壁から、矢印は下大静脈と判断できます。
【選択肢別解説】
1:× 肝動脈は門脈本幹の前方を走る細い血管です。
通常は矢印の構造よりずっと細く、椎体の直前には位置しません。
2:× 大動脈は椎体の前でやや患者の左側にあり、横断面は円形で壁が厚く高エコーです。
矢印の構造は患者の右側にあり、壁が薄いため大動脈ではありません。
3:○ 下大静脈は椎体の前で患者の右側を走行し、肝臓の背側に接しています。
壁が薄く、呼吸によって太さが変動するのが特徴で、矢印の構造と一致します。
4:× 肝外胆管は肝門部で門脈の前方を走る細い管です。
正常では径が数mm程度で、矢印のような太い管腔にはなりません。
5:× 門脈本幹は肝門部で肝臓に入る血管で、壁が高エコーに描出されます。
椎体の直前ではなく、下大静脈よりも前方に位置します。
【ポイント】
上腹部の横断像では「患者の右に下大静脈、左に大動脈」が基本の配置です。
下大静脈は扁平で呼吸性変動があり、大動脈は円形で拍動があることで見分けます。