シリンジで採血を行い、止血処置の間にしばらく立てて静置した。
その状況の写真(別冊No.12)を別に示す。
そのままシリンジを転倒混和せず、複数の血算用の試験管に分注した。
最後の試験管に比べて最初の試験管で測定値が大きくなる可能性の最も高いのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
採血した血液を静置すると、比重の大きい赤血球が重力で沈んでいきます。
混和せずに分注すると、出てくる順番によって血球の濃さが変わります。
図の所見を確認します。
シリンジは、筒先(針につながる側)を下に、押し子を上にして立てた状態で置かれています。
筒先には翼状針のチューブがつながったままです。
この状態で静置すると、赤血球は下側、すなわち筒先の側に沈みます。
押し子を押して分注すると、筒先にある血液から順に出るため、最初の試験管には赤血球が濃い血液が入ります。
最後の試験管には、上層の赤血球が少ない血漿側の血液が入ります。
【選択肢別解説】
1:× 単球数は、赤血球ほど分注の順番による差は大きくありません。
白血球は数が少なく、赤血球の上層付近にとどまるため、最初の試験管で最も大きくなるとはいえません。
2:× 血小板は比重が小さく、血漿中に残りやすいです。
上層の血漿側に多くなるため、最初の試験管ではむしろ低くなりやすいです。
3:× 好中球数も、赤血球ほど分注の順番による差は大きくありません。
最初の試験管で最も大きくなるとはいえません。
4:○ 赤血球数は最初の試験管で大きくなる可能性が最も高いです。
赤血球は最も比重が大きく早く沈むため、筒先側に濃縮され、最初に押し出されます。
5:× リンパ球数も、赤血球ほど分注の順番による差は大きくありません。
最初の試験管で最も大きくなるとはいえません。
【ポイント】
シリンジ採血後に時間がたったときは、分注前に必ず静かに転倒混和します。
混和しないと試験管ごとに赤血球数やHtが変わり、正しい結果が得られません。