正答3
解説
正解は3です。
生しらうおなど淡水魚の生食歴と、皮膚に現れた特徴的な病変から寄生虫を推定する問題です。
別冊No.1では、側腹部の皮膚に赤く蛇行する線状・帯状の紅斑が複数みられます。
これは幼虫が皮下を移動した跡に沿って生じる皮膚爬行症(皮膚移行症)の所見です。
食歴と皮膚爬行症の組合せは、顎口虫症を強く示唆します。
【選択肢別解説】
1:× 鞭虫は虫卵に汚染された食物から感染し、成虫が盲腸・大腸に寄生します。
皮下を移動しないため、皮膚爬行症は起こしません。
2:× 肝吸虫はモツゴなどコイ科淡水魚の生食で感染しますが、成虫は胆管に寄生します。
主な症状は胆管炎や肝障害で、蛇行する皮疹は生じません。
3:○ 顎口虫はライギョ・ドジョウ・ヤマメ・シラウオなど淡水魚の生食で感染します。
ヒトでは成虫になれず、幼虫が皮下を移動して皮膚爬行症を起こします。
4:× 東洋毛様線虫は野菜の漬物などに付いた幼虫を経口摂取して感染し、小腸に寄生します。
症状は軽い消化器症状が中心で、皮膚病変は起こしません。
5:× 日本海裂頭条虫はサクラマスやカラフトマスの生食で感染し、成虫が小腸に寄生します。
主な症状は下痢や虫体(片節)の排出で、皮膚爬行症は起こしません。
【ポイント】
皮膚爬行症をきたす寄生虫として、顎口虫と旋尾線虫(ホタルイカの生食)が代表です。
ヒトが本来の終宿主でない寄生虫は成虫になれず、幼虫のまま体内を移動する幼虫移行症を起こします。