正答3
解説
正解は3です。
頭部CTは、画像の向かって左側が患者の右側になるように表示されています。
「右」と表示された側の大脳半球の後方、頭頂葉を中心とした皮質から皮質下に、周囲より黒く写る低吸収域が広がっています。
発症1か月の脳梗塞なので、この低吸収域は右頭頂葉の梗塞巣と考えられます。
右利きの人の右頭頂葉の損傷では、左半側空間無視が最も代表的な症状です。
【選択肢別解説】
1:× Broca失語は、優位半球(右利きでは通常左)の下前頭回後部の損傷で生じる非流暢性の失語です。
本例の病巣は右半球なので該当しません。
2:× 他人の手徴候は、一側の手が本人の意思に反して動く症状です。
脳梁や前頭葉内側面(補足運動野)の損傷で生じ、本例の右頭頂葉の病巣とは部位が異なります。
3:○ 右頭頂葉(特に下頭頂小葉)の損傷では、病巣と反対側である左側の刺激に気づかず反応しない左半側空間無視が生じます。
CTの病巣部位と一致します。
4:× Gerstmann症候群は、手指失認・左右失認・失算・失書の4徴候からなります。
優位半球(左)の角回を中心とする頭頂葉の損傷で生じるため、該当しません。
5:× 超皮質性感覚性失語は、復唱は保たれるのに言葉の理解が障害される流暢性の失語です。
優位半球の言語野周囲の損傷で生じるため、該当しません。
【ポイント】
右頭頂葉の損傷では左半側空間無視・病態失認・着衣失行などが出やすくなります。
左頭頂葉の損傷では失語・Gerstmann症候群・観念失行などが出やすく、左右の症状を対比して覚えます。