在宅療養中の ALS 患者。
筋力は頸部体幹四肢 MMT1 である。
関節拘縮はない。
ベッド、車椅子移乗にリフトを導入することとなった。
この患者に適した吊り具はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
頸部・体幹・四肢がすべてMMT1のALS患者は、頭を自分で支えることも、座った姿勢を保つこともできません。
リフトで吊り上げるときには、頭部から殿部・大腿までを包み、頭頸部をしっかり支えられる吊り具が必要です。
関節拘縮はないので、体を包み込む形の吊り具も問題なく使えます。
【選択肢別解説】
1:× 背中を支える帯と両脚を通す長い脚部からなり、殿部が大きく開いた吊り具です。
頭部を支える部分がないため、頸部の筋力がない本例では頭が後ろに倒れて危険です。
2:○ 頭部まで届く高い背もたれ部分と、両脚を別々に支える脚部をもつハイバック型の吊り具です。
頭頸部と体幹を一体で支えられるので、頸部・体幹の筋力がない本例に適しています。
3:× 背中と両脚を支える脚分離型の吊り具ですが、上端は肩の高さまでで、頭部を支える部分がありません。
頭頸部の支持が必要な本例には不十分です。
4:× 背中と膝の下に1本ずつ帯を通すベルト型の吊り具です。
体幹を自分で保持できる人向けで、全身の筋力がない本例では体がずり落ちる危険があります。
5:× 車椅子の座面と背もたれ部分がそのまま吊り具になる座位型の吊り具です。
頭部を支える部分がなく、頭頸部を保持できない本例には適しません。
【ポイント】
吊り具は、頭頸部と体幹の支持性に応じて選びます。
頸部を保持できなければ頭部まで支えるハイバック型、頸部と体幹を保持できればローバック型やベルト型が選択肢になります。