5歳の男児。
脳性麻痺。
麻痺のタイプは痙直型両麻痺であり、図のように両手支持なしで座ることができる。
この児で骨盤後傾を修正し、座位姿勢の改善を図るために最もストレッチが必要な筋はどれか。
正答1
解説
正解は1です。
痙直型両麻痺児では、ハムストリングスや股関節内転筋群に痙性と短縮がよくみられます。
ハムストリングスは坐骨結節から起こり、膝関節をまたいで下腿に付着する二関節筋です。
膝を伸ばした座位では、短縮したハムストリングスが坐骨結節を膝の方向へ引き、骨盤を後傾させます。
その結果、仙骨で座る円背の姿勢になるため、骨盤後傾の修正にはハムストリングスの伸張性の改善が最も重要です。
【選択肢別解説】
1:○ ハムストリングスは股関節伸展筋で、短縮すると骨盤を後傾させます。
座位での骨盤後傾の主な原因になるため、最もストレッチが必要な筋です。
2:× 大腿筋膜張筋は股関節の屈曲・外転・内旋に働きます。
短縮すると骨盤はむしろ前傾方向へ引かれるため、骨盤後傾を修正するためのストレッチの対象ではありません。
3:× 大腿直筋は股関節屈曲と膝関節伸展に働く二関節筋です。
短縮すると骨盤を前傾させる方向に働くので、骨盤後傾の原因にはなりません。
4:× 前脛骨筋は足関節の背屈と内がえしに働く下腿の筋です。
骨盤の傾きには直接関与しません。
5:× 薄筋は股関節の内転と膝関節の屈曲に働きます。
短縮すると下肢が交差するはさみ脚肢位の原因になりますが、骨盤後傾の主な原因ではありません。
【ポイント】
骨盤後傾はハムストリングスや大殿筋の短縮と、骨盤前傾は腸腰筋や大腿直筋の短縮と関係します。
痙直型両麻痺では、ハムストリングスの短縮による仙骨座りと、股関節内転筋の痙性によるはさみ脚に注意します。