32歳の女性。
統合失調症。
1年前から小売店で週3日のパート勤務をしているが、最近、同僚から嫌がらせを受けているという被害的な訴えが増え、主治医の指示で週2日、精神科デイケアを利用することになった。
この患者の治療目的に合ったプログラムとして適切なのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
統合失調症で、同僚から嫌がらせを受けているという被害的な受け止め方が強まっている症例です。
他人の言動の意図を悪く読み取る傾向は、社会認知の偏りとして理解できます。
この偏りに働きかけるプログラムが適しています。
【選択肢別解説】
1:× ACT(Assertive Community Treatment:包括型地域生活支援)は、重い精神障害者の地域生活を多職種チームが訪問で支える仕組みです。
就労を続けデイケアに通える本例の目的には合いません。
2:× IPS(Individual Placement and Support)は、一般就労を目指す個別就労支援のモデルです。
本例はすでに就労しており、課題は対人場面での受け止め方です。
3:× NEAR(Neuropsychological Educational Approach to Cognitive Remediation)は、注意や記憶などの神経認知機能を高める認知機能リハビリテーションです。
社会認知の偏りを直接扱うものではありません。
4:○ SCIT(Social Cognition and Interaction Training:社会認知ならびに対人関係のトレーニング)は、感情の読み取りや他者の意図の解釈を練習するプログラムです。
被害的な解釈の偏りを修正することが目的で、本例に適しています。
5:× TEACCH(Treatment and Education of Autistic and related Communication-handicapped Children)は、自閉スペクトラム症の人への支援プログラムです。
統合失調症の本例には該当しません。
【ポイント】
統合失調症の認知機能には、注意や記憶などの神経認知と、他者の感情や意図を理解する社会認知があります。
NEARは神経認知、SCITは社会認知を対象とします。