49 歳の男性。
右利き。
脳梗塞による右片麻痺、Brunnstrom 法ステージ上肢Ⅲ、 手指Ⅲ、下肢Ⅳ、感覚障害を認める。
MMSE は 30 点、高次脳機能障害は認めない。
杖と短下肢装具を使用して歩行は自立。
ドライブが趣味である。
運転再開に向けた自動車の改造として適切なのはどれか。
2 つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答4・5
解説
正解は4と5です。
本例は右上肢・手指が Brunnstrom ステージⅢで、右手でハンドルを確実に操作できません。
右下肢にも麻痺と感覚障害があり、右足でのペダル操作も安全ではありません。
一方、左上下肢と認知機能は保たれているため、左側だけで運転できる改造を行います。
【選択肢別解説】
1:× 移乗ボードは、立位がとれない人が座ったまま乗り移るための用具です。
本例は杖と短下肢装具で歩行が自立しており、移乗ボードは必要ありません。
2:× 体幹ベルトは、座位保持が難しい頸髄損傷などで体幹を支えるために使います。
本例は体幹機能に問題がなく、使用する必要はありません。
3:× 手動運転装置は、両下肢が使えない人がアクセルとブレーキを手で操作する装置です。
本例は左下肢が使えるうえ、左手は操舵に使うため、手で加減速する装置は適しません。
4:○ ハンドルに旋回ノブを付けると、左手1本でハンドルを回し続けることができます。
右上肢が使えない片麻痺者の運転に欠かせない改造です。
5:○ 左アクセルペダルに変更すると、健側の左足でアクセルとブレーキを操作できます。
右下肢の麻痺と感覚障害によるペダルの踏み間違いを防げます。
【ポイント】
右片麻痺者の運転では「左手で操舵するノブ」と「左足で踏むアクセル」の組合せが基本です。
手動運転装置は、両下肢麻痺の脊髄損傷者に用いる装置と区別して覚えましょう。