28 歳の女性。
5 年前の外傷性脳損傷による右片麻痺。
Brunnstrom 法ステージ上肢Ⅲ、手指Ⅲ。
最近、右手指の屈曲拘縮が悪化し、手指衛生が困難となった。
最も適切な装具はどれか。
正答4
解説
正解は4です。
本例は外傷性脳損傷から5年が経ち、痙縮を背景に右手指の屈曲拘縮が進んでいます。
手指が握り込んだ状態となって手掌を洗えないため、手指と手関節を伸ばした位置に保つ装具が必要です。
【選択肢別解説】
1:× BFO(balanced forearm orthosis)は、肩や肘の筋力が弱い人の前腕を支え、上肢の操作を助ける装具です。
手指の拘縮を矯正する作用はありません。
2:× RIC スプリントは、第6頸髄節まで残存する頸髄損傷者に用いる把持装具です。
手関節の背屈を利用して母指と示指・中指をつまみ合わせるもので、拘縮の矯正には使いません。
3:× ナックルベンダーは、MP 関節を屈曲位に保つ装具です。
尺骨神経麻痺の鷲手や MP 関節の伸展拘縮に用いるもので、屈曲拘縮を悪化させる方向に働きます。
4:○ パンケーキ型装具は、手掌側の平らな板で手関節と手指全体を伸展位に保持する装具です。
屈曲拘縮の進行を防ぎ、指を開いた状態にできるため、手掌の清潔を保ちやすくなります。
5:× コックアップ・スプリントは手関節を背屈位に保つ装具で、手掌の遠位で終わり手指は覆いません。
手指の屈曲拘縮には効果がありません。
【ポイント】
痙縮による手指屈曲拘縮には、手指まで伸展位に保持する安静用の装具を用います。
BFO・RIC スプリント・ナックルベンダーは、それぞれ対象となる障害と目的をセットで覚えましょう。