38歳の女性。
統合失調症。
長期入院後、ACTチームによる訪問支援を受けながら一人暮らしを始めた。
服薬は自己管理。
時折聞こえる幻聴に対処できていたが、部屋は整理整頓できていない。
最近、就労希望を受けて、ACTチームの作業療法士が就労支援を担当することになった。
作業療法士の対応で最も優先すべきなのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
ACT(包括型地域生活支援)チームの作業療法士が、統合失調症の女性の就労支援を始めるときの対応を問う問題です。
ACTの就労支援では、IPS(個別職業紹介とサポート)の考え方が用いられます。
IPSは、本人が働きたいと望めば誰でも対象とし、本人の希望する仕事と条件を尊重して一般就労を目指します。
【選択肢別解説】
1:× 本人は幻聴に対処できており、就労の可否を幻聴の頻度で判断する段階ではありません。
就労支援の最初に優先する確認事項ではありません。
2:○ IPSでは本人の好みと希望を重視することが原則です。
まず本人が望む職種や勤務条件を聞き取り、それに沿った職探しを進めます。
3:× 就労継続支援B型は、雇用契約を結ばない福祉的就労の場です。
本人の希望を確かめる前に見学を計画するのは、本人中心の原則に反します。
4:× 部屋の片づけができることを就労の条件にするのは適切ではありません。
IPSでは準備訓練を前提とせず、希望があれば速やかに職探しを始めます。
5:× 服薬は自己管理できており、主治医への相談を最優先にする理由はありません。
症状や服薬の調整は、必要に応じて支援の中で検討します。
【ポイント】
IPSの主な原則は、除外基準を設けないこと、一般就労を目標とすること、本人の希望の尊重、迅速な職探し、継続的な支援です。
「訓練してから就労」ではなく「就労してから支える」という考え方が特徴です。