67 歳の男性。
右利き。
灯油による引火で右前腕以遠にⅢ度の熱傷を受傷した。
救命救急センターに搬送され、壊死組織のデブリドマンを施行され、植皮術が行われた。
術後 3 日目にベッドサイドで作業療法を開始した。
この時点での受傷手への対応で正しいのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
Ⅲ度熱傷に植皮術を行った直後は、移植した皮膚を生着させることが最優先です。
生着には一般に術後数日から1週間程度の固定と安静が必要で、浮腫を防ぐ管理も重要です。
術後3日目は生着前の時期にあたります。
【選択肢別解説】
1:× 抵抗運動は植皮部にずれや剪断力を生じさせ、生着を妨げます。
筋力強化は生着と創の安定を確認してから段階的に行います。
2:○ 患肢を心臓より高く挙上して安静を保つと、静脈・リンパの還流が促され浮腫が軽減します。
浮腫は生着不良や拘縮の原因になるため、この時期の基本的な対応です。
3:× 動的スプリントは、拘縮を矯正したい時期に持続的な牽引力を加える装具です。
生着前の時期には植皮部を動かしてしまうため適しません。
この時期は良肢位を保つ静的スプリントを用います。
4:× 他動関節可動域訓練は植皮片をずらし、生着を妨げるおそれがあります。
可動域訓練は生着を確認してから開始します。
5:× 弾性包帯による圧迫療法は、肥厚性瘢痕を予防するために創が治癒した後で行います。
生着前に圧迫すると移植片の血流を妨げるおそれがあります。
【ポイント】
植皮術後の作業療法は、生着までは安静・挙上・良肢位保持、生着後は可動域訓練、創治癒後は圧迫療法という順に進めます。
手の熱傷では、MP関節屈曲位・IP関節伸展位の良肢位を保つことが拘縮予防に重要です。