5 歳の男児。
重症心身障害児施設に入所している。
四肢に強い筋緊張があり、重度の側弯症もある。
言語による意思表示は困難であり、食事は経管栄養である。
作業療法士がこの児に対して最初にすべき日常生活の基盤づくりで最も適切なのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
重症心身障害児に対して、日常生活の基盤として最初に整えるべきことを問う問題です。
本例は四肢の強い筋緊張と重度の側弯があり、言語による意思表示が難しく、経管栄養です。
まず安定した姿勢を確保することが、呼吸・摂食・関わりなどすべての活動の土台になります。
【選択肢別解説】
1:× 経管栄養であることから、経口摂取に必要な嚥下機能は十分でないと考えられます。
いきなり飲水訓練を始めると誤嚥の危険があり、姿勢を整えて摂食嚥下機能を評価してから検討します。
2:× 重度の運動障害と知的障害があり、複雑な課題を自力で行うことは困難です。
できない課題を課すと、本人の負担や不快感が大きくなります。
3:○ 座位保持装置などを用いた座位ポジショニングで、姿勢を安定させることが最初の基盤づくりです。
適切な姿勢は筋緊張を和らげ、側弯などの変形の進行を防ぎ、呼吸や消化を助けます。
視界が広がることで周囲との関わりも増え、ほかの活動に取り組む土台になります。
4:× 言語による意思表示が困難な児では、表情・発声・視線などの非言語的な反応を手がかりにします。
言語訓練を中心にすることは、日常生活の基盤づくりとして優先されません。
5:× 他児との交流は大切ですが、安定した姿勢が確保できてはじめて周囲と関われます。
基盤づくりとして最初に行うことではありません。
【ポイント】
重症心身障害児の支援は、姿勢(ポジショニング)を整えることから始めます。
筋緊張・変形・呼吸・摂食の問題はすべて姿勢と関係しているため、姿勢管理が生活の基盤になります。