73 歳の女性。
3 年前から特に誘因なく歩行時の左膝痛が出現し、徐々に悪化してきたため外来を受診した。
左膝の熱感、腫脹なく関節裂隙の圧痛を軽度に認めた。
立位のX 線写真(別冊No. 2)を別に示す。
この患者の指導で推奨されるのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
立位の膝関節X線正面像では、内側の関節裂隙が狭くなり、大腿骨と脛骨の内側の縁には骨棘がみられます。
外側の関節裂隙は保たれており、内側型の変形性膝関節症と判断できます。
熱感や腫脹がない慢性の膝痛で、膝への負担を減らしながら活動量を保つ運動を選ぶ問題です。
【選択肢別解説】
1:× 安静を続けると、大腿四頭筋の筋力低下や関節のこわばりが進み、症状がかえって悪化します。
変形性膝関節症では運動療法が推奨されます。
2:× 正座は膝関節を深く曲げて体重をかける姿勢で、関節面への負担が大きくなります。
避けるよう指導します。
3:× 階段の昇り降りは平地歩行より膝への荷重が大きく、痛みを強めやすい動作です。
手すりの利用や回数を減らす工夫を指導します。
4:○ 水中歩行は浮力で膝にかかる荷重が軽くなり、痛みを抑えながら筋力と持久力を維持できます。
変形性膝関節症で推奨される運動です。
5:× ジョギングは着地のたびに膝へ大きな衝撃が加わり、関節への負担を増やします。
この患者には勧めません。
【ポイント】
日本人の変形性膝関節症は内側型が多く、X線で内側関節裂隙の狭小化・骨棘・軟骨下骨の硬化がみられます。
生活指導では、膝に負担の少ない運動(水中運動・自転車エルゴメータ・大腿四頭筋訓練)と、正座や深いしゃがみ込みを避けることが基本です。