次の文で示す症例について、問題139、問題140の問いに答えよ。
「58歳の女性。主訴は右手掌の痛み・しびれ。痛みの部位は小指を除く手掌部である。」
本症例の病態部位への刺鍼で適切なのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
手根管症候群で、正中神経が圧迫されている部位を手の表面から特定する問題です。
手根管は、手根骨と屈筋支帯(横手根靱帯)に囲まれたトンネルで、正中神経と指の屈筋腱が通ります。
屈筋支帯は、橈側の舟状骨結節・大菱形骨結節と、尺側の豆状骨・有鈎骨鈎の間に張っています。
【選択肢別解説】
1:× 手関節掌側横紋上で橈側手根屈筋腱の橈側直側部は、太淵の付近です。
この部位を通るのは橈骨動脈で、正中神経の圧迫部位ではありません。
2:× 手関節掌側横紋上で長掌筋腱の尺側直側部は、正中神経の走行から尺側に外れた部位です。
正中神経は長掌筋腱の橈側の深部を走るため、この部位は病態部位ではありません。
3:× 手関節掌側横紋上で尺側手根屈筋腱の尺側直側部は、手関節の尺側縁です。
正中神経からは大きく離れており、病態部位ではありません。
4:○ 舟状骨結節と豆状骨を結んだ線の中央部は、屈筋支帯の近位部の直上にあたります。
ここは手根管の入口で正中神経が圧迫される部位なので、病態部位への刺鍼として適切です。
【ポイント】
手根管は手関節掌側横紋より遠位の、母指球と小指球の間にあります。
大陵は手根管の近位にある経穴で、手根管症候群の治療でもよく用いられます。