次の文で示す研究から適切なのはどれか。
「ラットの足部への鍼刺激で迷走神経活動が亢進し胃内圧が上昇したが、内臓神経活動は変化しなかった。一方、腹部の鍼刺激では内臓神経活動が亢進し胃内圧が低下したが、迷走神経活動は変化しなかった。」
正答2
解説
正解は2です。
体表への刺激が胃の運動を変える体性-内臓反射の仕組みを、実験結果から読み取る問題です。
足部への刺激では、副交感神経である迷走神経の活動が高まり、胃内圧が上昇しました。
腹部への刺激では、交感神経である内臓神経の活動が高まり、胃内圧が低下しました。
遠い足部からの刺激は脳幹を介し、胃と同じ脊髄分節の腹部からの刺激は脊髄を介すると考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 足部刺激で起こったのは自律神経を介する胃の運動変化です。
これは体性-運動反射ではなく、体性-自律神経反射(体性-内臓反射)です。
2:○ 迷走神経の中枢は延髄にあるため、迷走神経の活動の亢進は脊髄より上位の中枢を介する反応です。
足部は胃と分節が離れているため、上脊髄性の反射が起こったと考えられます。
3:× 腹部刺激では迷走神経の活動は変化しておらず、副交感神経の抑制によるものではありません。
正しくは、交感神経である内臓神経の活動亢進によって胃の運動が抑えられたものです。
4:× 刺激を受けたのは腹部の皮膚や筋という体性組織です。
したがって内臓-内臓反射ではなく、体性-内臓反射です。
【ポイント】
胃の運動は、四肢への刺激で迷走神経を介して促進し(上脊髄性)、腹部への刺激で交感神経を介して抑制します(脊髄性)。
刺激部位と内臓が同じ分節か離れた分節かで、反射の経路が変わる点が重要です。