次の文で示す症例について、問題79、問題80の問いに答えよ。
「62歳の男性。右側の腰から下肢にかけての痛み、しびれがある。歩くと痛みは強くなり歩けなくなるが、休むと再び歩けるようになる。足関節・上腕血圧比は1.0であった。」 本症例の徒手検査所見で陽性を示すのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
症例では「歩くと痛みは強くなり歩けなくなるが、休むと再び歩けるようになる」という間欠性跛行があります。
「足関節・上腕血圧比は1.0」と正常なので、下肢の動脈が詰まる血管性ではなく、腰部脊柱管狭窄症による神経性の跛行と考えられます。
【選択肢別解説】
1:× SLRテスト(下肢伸展挙上テスト)は、腰椎椎間板ヘルニアなど下位腰椎の神経根が引き伸ばされて痛む状態で陽性になります。
脊柱管狭窄症では陰性のことが多いです。
2:○ ケンプ徴候は本症例で陽性になります。
立った姿勢で腰を後ろへ反らせながら患側へ傾けると、脊柱管や椎間孔がさらに狭くなり、下肢の痛みやしびれが再現されます。
3:× 大腿神経伸展テストは、第2〜第4腰神経の上位腰椎の神経根の障害で陽性になります。
本症例の腰から下肢後外側にかけての症状とは対応しません。
4:× K・ボンネットテストは梨状筋症候群の検査です。
股関節を曲げて内転・内旋させ、梨状筋で坐骨神経を伸ばして痛みをみます。
本症例の間欠性跛行とは関係しません。
【ポイント】
足関節・上腕血圧比(ABI)は正常値が1.0〜1.4で、0.9以下なら閉塞性動脈硬化症を疑います。
間欠性跛行は「ABIで血管性を、姿勢の影響で神経性を」見分けます。