「63歳の女性。主訴は尿もれ。咳をしたり、重い荷物を持ったりすると尿がもれる。腰背部がだるく、足が冷える。舌は淡で歯痕、脈は沈細。」
本症例の尿もれと最も関係するのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
咳をしたときや重い物を持ったときなど、腹圧が上がった瞬間に尿が漏れるのは腹圧性尿失禁です。
尿道を下から支えて閉じる筋の働きが低下していることが原因です。
【選択肢別解説】
1:○ 骨盤底筋群は肛門挙筋や尿道括約筋などからなり、膀胱や尿道を下から支えて尿道を閉じる働きをもちます。
出産や加齢でこの筋群が弱ると腹圧に耐えられず尿が漏れるため、最も関係が深いです。
2:× 大殿筋は股関節を伸展させる筋で、立ち上がりや階段昇降などで働きます。
尿道の閉鎖には直接関与しません。
3:× 膀胱排尿筋は収縮して尿を押し出す筋です。
この筋が意思に反して収縮すると切迫性尿失禁になりますが、腹圧性尿失禁の原因ではありません。
4:× 腹直筋は体幹を屈曲させる筋で、収縮すると腹圧を高める側に働きます。
尿道を閉じて尿を保持する筋ではありません。
【ポイント】
腹圧性尿失禁は中高年の女性に多く、骨盤底筋訓練が基本的な対処法です。
急に強い尿意が来て我慢できないものは切迫性尿失禁で、膀胱排尿筋の過活動が原因です。