次の文で示す症例の治療方針として調整すべき経絡で最も適切なのはどれか。
「33 歳の女性。主訴は全身の痛み。 3 年前から全身の疼痛に悩まされ、最近になって線維筋痛症と診断された。食欲がなく、雨天時には特に調子が悪く、起き上がることもできない。」
正答3
解説
正解は3です。
症例の要点は「全身の疼痛」「食欲がない」「雨天時に特に調子が悪く起き上がれない」の3つです。
食欲不振は脾の運化の失調を示し、雨天時の悪化は湿邪の影響を受けやすい脾の弱りを示します。
全身の痛みと脾の失調をあわせもつ点から、脾の大絡を調整するのが適切です。
【選択肢別解説】
1:× 陰維脈の病証は全身の痛みではなく、心痛です。
『難経』では「陰維の病たる、心痛に苦しむ」と記されています。
2:× 陰蹻脈の病証は全身の痛みではなく、下肢の運動の異常や眠気です。
『難経』には「陽緩みて陰急す」とあり、下肢の外側がゆるみ内側がひきつります。
目を閉じて眠りがちになることも陰蹻脈の病証とされます。
3:○ 脾の大絡は、実すると全身が痛み、虚すると全身の関節がゆるむとされる絡脈です。
絡穴は大包で、症例の全身の疼痛と脾の失調の両方に対応します。
4:× 胃の大絡は全身の痛みではなく、宗気の状態を反映する絡脈です。
虚里と呼ばれ、左乳下で拍動として触れ、その強弱から宗気の盛衰をみます。
【ポイント】
十五絡脈のうち、脾の大絡(大包)は全身の痛み、胃の大絡(虚里)は左乳下の拍動と覚えます。
線維筋痛症のような全身の痛みは、脾の大絡の実証として出題されやすい組合せです。