次の文で示す症例について、陽性となる可能性が最も高い理学検査はどれか。
「45 歳の男性。 2 か月前から左腰下肢に痛みを感じる。前かがみで痛みが増強する。左足底部の知覚鈍麻、アキレス腱反射は減弱。間欠跛行はみられない。」
正答2
解説
正解は2です。
症例の要点は、前かがみで増強する腰下肢痛、左足底部の知覚鈍麻、アキレス腱反射の減弱、間欠跛行がないことです。
前屈で痛みが増すことは腰椎椎間板ヘルニアを示し、足底の感覚低下とアキレス腱反射減弱はS1神経根の障害を示します。
S1神経根は坐骨神経の構成要素なので、坐骨神経を伸張する検査が陽性になりやすいと考えます。
【選択肢別解説】
1:× FNSテストはS1ではなく、L4より上位の神経根や大腿神経の障害で陽性になる検査です。
腹臥位で膝を曲げて股関節を伸展させ、大腿前面に痛みが出れば陽性です。
2:○ ボンネットテストは、下肢伸展挙上に股関節の内転と内旋を加えて坐骨神経を伸張する検査です。
本症例のようにS1神経根から坐骨神経に沿った症状がある場合、殿部から下肢への痛みが誘発されやすくなります。
3:× ゲンスレンテストは神経根ではなく、仙腸関節の障害を調べる検査です。
4:× アリス徴候は神経根ではなく、股関節の脱臼などで大腿骨が短くなっていることを示す所見です。
仰臥位で両膝を立てたときに、患側の膝の高さが低くなります。
【ポイント】
神経根の高位は、L4が膝蓋腱反射、S1がアキレス腱反射と足底の感覚と結びつけて覚えます。
腰椎椎間板ヘルニアは前屈で悪化し、腰部脊柱管狭窄症は後屈で悪化し間欠跛行を伴う点が鑑別の要点です。