「75歳の男性。脚立から落下し、手足が動かなくなった。非骨傷性脊髄損傷と診断され入院した。肘関節の屈曲は可能、手関節の伸展と屈曲および肘関節の伸展は不能であった。」
退院時には屋内歩行が可能となったが、箸がうまく使えなかった。
退院の準備として正しいのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
症例は高齢者が脚立から落ちて起きた非骨傷性頸髄損傷で、退院時には「屋内歩行が可能となったが、箸がうまく使えなかった」とされています。
これは下肢より上肢、特に手指の障害が強く残る中心性頸髄損傷の典型的な経過です。
退院に向けては、残っている手指の巧緻性の障害に対する支援が必要になります。
【選択肢別解説】
1:× 長下肢装具は、膝折れがあって立位や歩行が困難な場合に作製します。
本症例はすでに屋内歩行が可能なので不要です。
2:× 意思伝達装置は、発話も上肢の操作もできない重度の障害で導入するものです。
本症例は会話ができ、上肢も使えるため不要です。
3:× 歩行ロボットは、歩行が困難な人の歩行訓練に用いる機器です。
屋内歩行が自立している本症例の退院準備としては適切ではありません。
4:○ 箸がうまく使えないのは手指の巧緻性が低下しているためです。
持ち手を太くしたスプーンや、ばね付きの箸などの自助具を作製すると、食事動作の自立を助けられます。
【ポイント】
中心性頸髄損傷は「高齢者・過伸展外傷・骨傷なし・上肢(特に手指)の障害が下肢より強い」が特徴です。
歩けても手の細かい動作に障害が残りやすい点を押さえます。