次の症例で最も適切な疾患はどれか。
「45 歳の男性。長時間のパソコン作業が続き、眼が疲れる。右頸部から肩、前腕にかけて鈍痛としびれがある。筋力や知覚に異常はなく、頸部の運動制限も明確でない。スパーリングテスト、ルーステストは陰性。」
正答2
解説
正解は2です。
長時間のパソコン作業に伴う頸肩腕の症状を鑑別する問題です。
眼の疲れと、頸部から上肢の鈍痛・しびれがあります。
しかし筋力と知覚は正常で、頸部の運動制限も明確ではありません。
神経根症をみるスパーリングテストと、胸郭出口症候群をみるルーステストも陰性です。
器質的な異常を示す所見がなく、作業との関係から、VDT症候群(情報機器作業に伴う健康障害)が最も考えられます。
【選択肢別解説】
1:× バレー・リュー症候群は、むち打ち損傷などの頸部外傷のあとに、頭痛・めまい・耳鳴り・眼精疲労などの自律神経症状が現れるものです。
本症例には外傷の既往がありません。
2:○ VDT症候群では、眼精疲労と頸・肩・上肢の痛みやこりが起こり、神経学的な異常はみられません。
長時間のパソコン作業という誘因とも一致します。
3:× 胸郭出口症候群では、上肢を挙上・外転させるルーステストで症状が再現されます。
ルーステストが陰性なので否定的です。
4:× 頸椎椎間板ヘルニアでは、スパーリングテストで上肢への放散痛が誘発され、筋力低下や知覚障害を伴うことがあります。
スパーリングテスト陰性で神経脱落症状もないため否定的です。
【ポイント】
スパーリングテストは神経根症、ルーステストやアドソンテストは胸郭出口症候群の検査です。
どちらも陰性で作業に関連した症状なら、VDT症候群を考えます。