正答3
解説
正解は3です。
不動産の二重譲渡と対抗要件(民法177条)、詐欺取消しと第三者、錯誤の効果を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 不動産の二重譲渡では、先に登記を備えた者が所有権を主張できます(民法177条)。
売買契約の先後は関係がありません。
登記のないCは、Bに対して所有権を主張することはできません。
2:× 詐欺による取消しを対抗できないのは、善意の第三者に対してだけです(民法96条3項)。
取消し前に登場したDがBの詐欺を知っていた(悪意)なら、AはDに所有権を主張できます。
「知っていたか否かにかかわらず」主張できないとする点が誤りです。
3:○ 背信的悪意者は、登記がないことを主張できる「第三者」に当たりません(最判昭43.8.2)。
Bに高値で売りつけて利益を得る目的で登記を備えたEは、背信的悪意者に当たります。
したがって、Eは登記を備えていてもBに所有権を主張できません。
4:× 出題当時の民法95条では、錯誤の効果は「取消し」ではなく「無効」でした。
しかも、錯誤による無効は原則として表意者Bしか主張できません(最判昭40.9.10)。
相手方であるAが、Bの錯誤を理由に契約の効力を否定することはできません。
また、動機の錯誤は、動機が表示されて意思表示の内容となった場合に限り問題となります。
【ポイント】
現行法では、錯誤の効果は「取消し」となり、取消権者は表意者等に限られます(95条・120条2項)。
詐欺取消し前の第三者も、現行法では「善意でかつ過失がない」ことが必要です。