Aは、中古自動車を売却するため、Bに売買の媒介を依頼し、報酬として売買代金の3%を支払うことを約した。
Bの媒介によりAは当該自動車をCに100万円で売却した。
この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
媒介による中古自動車の売買を題材に、同時履行・瑕疵担保責任・手付・他人物売買の基本を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 売買の代金支払と目的物の引渡しは同時履行の関係にあります(民法533条)。
媒介業者が報酬を得ているかどうかは、この関係に影響しません。
2:× 瑕疵担保責任(当時の民法570条)を負うのは売主Aです。
Bは媒介をしたにすぎず売主ではないため、CはBに瑕疵担保責任を追及できません。
3:× 売主は手付の倍額を償還して契約を解除できますが、当事者の一方が契約の履行に着手するまでに限られます(当時の民法557条1項)。
判例は、相手方であるCが履行に着手した後は、Aは手付解除できないとしています。
「いつでも」解除できるわけではありません。
4:○ 他人の物を目的とする売買契約も有効に成立します(当時の民法560条)。
売主Aは、父親から所有権を取得して買主Cに移転する義務を負います。
【ポイント】
現行法では、瑕疵担保責任は契約不適合責任に改められ、他人物売買は民法561条に規定されています。
現行民法557条1項は判例を条文化し、相手方が履行に着手した後は手付解除できないと定めています。
また現行法では、売主は手付の倍額を現実に提供して解除する必要があります。