正答1
解説
正解は1です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
不動産の物権変動を登記なしに対抗できない「第三者」(民法177条)の範囲が問われています。
判例は、登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者だけを第三者としています。
【選択肢別解説】
1:○ 不法占拠者に対しては、登記がなくても所有権を主張して明渡しを請求できます。
不法占拠者は登記の欠缺を主張する正当な利益を持たず、177条の第三者に当たらないからです(最判昭和25年12月19日)。
よって「登記を備えなければならない」とする本肢は誤りです。
2:× 正しい記述です。
借地上に登記ある建物を所有する賃借人Dは、借地権を第三者に対抗できます(借地借家法10条1項)。
新所有者Bが賃貸人としての地位をDに主張するには、所有権移転登記が必要とされています(最判昭和49年3月19日)。
3:× 正しい記述です。
転得者Eから見て、売主Aは前々主であり、当事者に準じる立場なので177条の第三者に当たりません。
したがって、Eは登記がなくてもAに所有権を主張できます。
4:× 正しい記述です。
Bは時効完成前に権利を取得した者であり、時効取得者Fから見ると当事者と同様の関係にあります。
そのため、Fは登記がなくてもBに時効取得を主張できます(最判昭和41年11月22日)。
【ポイント】
177条の第三者に当たらない者として、不法占拠者、背信的悪意者、前主・前々主、時効完成前の取得者が頻出です。
時効完成後に登場した第三者に対しては、時効取得者も登記がなければ対抗できない点と対比して覚えましょう。