正答4
解説
正解は4です。
不法行為の損害賠償における損益相殺、第三者による債権侵害、名誉毀損の救済手段が問われています。
【選択肢別解説】
1:× 火災保険金は、支払った保険料の対価として受け取るものなので、損益相殺として控除されません(最判昭和50年1月31日)。
保険金を支払った保険会社が、加害者に対する請求権を代位取得するにとどまります。
2:× 被害者が同一の原因で損害と同質性のある利益を受けた場合、その額は賠償すべき損害額から控除されます(最大判平成5年3月24日)。
「控除されることはない」とする点が誤りです。
3:× 第三者が債務者を教唆して履行を不能にさせた場合、その第三者は債権侵害として不法行為責任を負うことがあります(民法709条)。
債権も不法行為によって保護される利益だからです。
4:○ 名誉を違法に侵害された者は、損害賠償や名誉回復のための処分を求めることができます(民法710条・723条)。
さらに判例は、人格権としての名誉権に基づき、侵害行為の差止めも求められるとしています(最大判昭和61年6月11日・北方ジャーナル事件)。
【ポイント】
損益相殺で控除されるのは、損害と「同一の原因」から生じた「同質性」のある利益です。
生命保険金や火災保険金は控除されないという判例の結論をセットで覚えましょう。