AとBとの間でA所有の甲建物をBに対して、居住の用を目的として、期間2年、賃料月額10万円で賃貸する旨の賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結し、Bが甲建物の引渡しを受けた場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
居住用建物の賃貸借について、賃料の前払い、定期建物賃貸借の特則などを問う問題です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
【選択肢別解説】
1:× 記述は正しいので、答えにはなりません。
Bは引渡しを受けているので、新所有者Cに賃借権を対抗できます(借地借家法31条)。
賃貸人の地位はCに移転し(民法605条の2)、判例上、Bは賃料前払いの効果をCに対抗できます。
2:× 記述は正しいので、答えにはなりません。
定期建物賃貸借でも、賃料改定の特約がなければ借賃増減額請求(借地借家法32条)が適用されます。
32条の適用が排除されるのは、賃料改定に関する特約がある場合です(借地借家法38条)。
3:○ 中途解約を申し入れることができるのは、賃借人であり、賃貸人Aではありません。
居住用で床面積200m2未満の定期建物賃貸借では、賃借人に中途解約権が認められます。
転勤・療養・親族の介護などのやむを得ない事情がある場合に、賃借人が申し入れます。
その場合、申入れの日から1月を経過すると契約は終了します(借地借家法38条)。
4:× 記述は正しいので、答えにはなりません。
造作買取請求権(借地借家法33条)は、定期建物賃貸借にも適用されます。
33条は特約で排除できますが、本肢は特約がないので、Bは買取請求ができます。
【ポイント】
定期建物賃貸借の中途解約権は、居住用・200m2未満・やむを得ない事情がある賃借人だけのものです。
賃貸人からの期間内解約は認められません。