Aを賃貸人、Bを賃借人とする甲建物の賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)が令和3年7月1日に締結された場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
建物賃貸借について、解約申入れ、賃貸人の地位の移転と敷金、転貸借、定期建物賃貸借の通知を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 期間の定めのない建物賃貸借で賃貸人が解約を申し入れると、申入れの日から6月の経過で終了します(借地借家法27条1項)。
さらに、賃貸人からの申入れには正当事由が必要です(同法28条)。
3月で終了するのは、民法617条の原則や賃借人からの申入れの場合です。
2:○ 建物の引渡し後に所有権が移転すると、賃貸人たる地位は新所有者Cに移転します(民法605条の2第1項)。
敷金返還債務もCに承継されます(同条4項)。
判例は、旧賃貸人に対する未払賃料は敷金から当然に充当され、残額が承継されるとしています(最判昭44.7.17)。
3:× 賃貸借が期間満了で終了するときに賃貸人が転借人に通知すると、転貸借は通知の日から6月の経過で終了します(借地借家法34条)。
3月ではありません。
4:× 期間1年以上の定期建物賃貸借では、期間満了の1年前から6月前までに終了の通知をしなければ、終了を賃借人に対抗できません(借地借家法38条4項、出題当時)。
しかし、更新したものとみなされるわけではありません。
通知期間の経過後に通知すれば、その日から6月を経過した後は終了を対抗できます。
【ポイント】
借地借家法の建物賃貸借では、賃貸人からの解約申入れも転借人への通知も「6月」です。
定期建物賃貸借は、通知を怠っても更新にはならない点が、普通借家との大きな違いです。