辞任に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア 委任によって代理権を授与された者は、報酬を受ける約束をしている場合であっても、いつでも委任契約を解除して代理権を消滅させて、代理人を辞することができる。
イ 親権者は、やむを得ない事由があるときは、法務局に届出を行うことによって、親権を辞することができる。
ウ 後見人は、正当な事由があるときは、後見監督人の許可を得て、その任務を辞することができる。
エ 遺言執行者は、正当な事由があるときは、相続人の許可を得て、その任務を辞することができる。
正答1
解説
正解は1です。
委任による代理人、親権者、後見人、遺言執行者が辞任するための要件が問われています。
【記述別解説】
ア:○ 委任は各当事者がいつでも解除できます(民法651条1項)。
報酬の約束があっても解除は可能で、委任の終了により代理権も消滅します(111条2項)。
なお、相手方に不利な時期の解除などでは損害賠償が必要になることがあります(651条2項)。
イ:× 親権者が辞任するには、法務局への届出ではなく家庭裁判所の許可が必要です。
やむを得ない事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て親権または管理権を辞することができます(837条1項)。
ウ:× 後見人の辞任に必要なのは、後見監督人の許可ではなく家庭裁判所の許可です(844条)。
エ:× 遺言執行者の辞任に必要なのは、相続人の許可ではなく家庭裁判所の許可です(1019条2項)。
正しい記述はアだけなので、正しいものは一つとなり、正解は1です。
【ポイント】
親権者・後見人・遺言執行者の辞任は、いずれも家庭裁判所の許可が必要です。
委任契約だけは当事者がいつでも自由に解除できます。