サブリース方式による賃貸管理に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
ア サブリース方式による賃貸管理は、転借人(入居者)に賃貸不動産を引き渡すことが契約成立の要件である。
イ 転借人(入居者)は、所有者(原賃貸人)との関係で転貸人(管理業者)の履行補助者には該当しないため、転借人(入居者)が過失に基づき賃貸不動産を毀損しても、転貸人(管理業者)は所有者(原賃貸人)に対して責任を負わない。
ウ 転借人(入居者)は、所有者(原賃貸人)に対して原賃貸借契約で定めた賃料の額までの範囲内で賃料支払義務を負う。
エ 原賃貸借契約が終了した場合に、所有者(原賃貸人)が転貸借契約を承継する旨の特約は有効である。
正答1
解説
正解は1です。
この問題は、サブリース方式(管理業者が建物を借り上げて入居者に転貸する方式)の法律関係について、適切な記述の数を問うものです。
【記述別解説】
ア:× 原賃貸借契約も転貸借契約も、当事者の合意だけで成立する諾成契約です(民法601条)。
入居者に目的物を引き渡すことは、契約成立の要件ではありません。
イ:× 転借人は、転貸人が原賃貸人に負う保管義務の履行補助者として扱われます。
そのため転借人の過失で建物が毀損すれば、転貸人は原賃貸人に対して債務不履行責任を負います(大判昭4.6.19)。
ウ:× 民法613条1項により、転借人は原賃貸人に対して直接に義務を負います。
ただしその範囲は、原賃貸借の賃料と転貸借の賃料のうち低いほうの額が限度です。
原賃貸借の賃料額までと言い切る点が不正確です。
エ:○ 原賃貸借が終了したときに、原賃貸人が転貸借契約を承継する旨の特約は有効です。
入居者は引き続き住み続けることができ、不利益がないためです。
以上より、適切なものはエの1つです。
【ポイント】
転借人が原賃貸人に直接負う賃料支払義務は、「原賃料と転貸料のいずれか低いほう」が上限です。
承継特約は入居者の保護に役立つため、サブリース契約で広く用いられています。