正答4
解説
正解は4です。
この問題は、貸主の修繕義務(民法606条1項)の範囲と、借主の費用償還請求を問うものです。
【選択肢別解説】
1:× 雨漏りの修繕費用は、物の保存に必要な費用である必要費です。
必要費は、契約終了を待たず、価格の増加の有無にかかわらず直ちに償還を請求できます(民法608条1項)。
本肢は有益費(同条2項)の要件と混同しています。
2:× 建物が全部滅失すると、賃貸借は目的物を失って終了します(判例)。
修繕は不可能となるため、貸主が修繕義務を負うことはありません。
貸主に過失があれば、損害賠償の問題として扱われます。
3:× 天変地異など不可抗力による損傷でも、貸主は修繕義務を負います。
修繕義務は借主に使用収益させる義務から生じるもので、貸主の過失を要件としないからです。
4:○ 貸主が修繕義務を怠り、借主が建物を全く使用できなかった期間について、借主は賃料の支払を免れます。
賃料は使用収益の対価であり、使用収益ができない以上は支払義務が生じないと解されているからです(判例)。
【ポイント】
必要費は直ちに全額、有益費は契約終了時に価格の増加が現存する場合に限り請求できます。
なお、2020年4月施行の改正民法で、全部滅失による終了(616条の2)と、使用できない部分の割合に応じた賃料の当然減額(611条1項)が明文化されました。