「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(国土交通省平成23年8月。以下、各問において「原状回復ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
原状回復ガイドラインの考え方と、通常損耗補修特約に関する判例を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 通常の清掃を怠ったことで必要になったクリーニング費用は、借主の負担です。
借主には善良な管理者の注意をもって物件を使用する義務があり、その違反による汚損は借主負担となります。
貸主負担となるのは、借主が通常の清掃をしている場合の全体クリーニング費用です。
2:× 借主の過失による毀損でも、クロスの交換費用は経過年数を考慮して負担割合を決めます。
ガイドラインは、契約書に定めがなくても経過年数を考慮するとしています。
クロスは耐用年数6年で残存価値1円となるように負担割合を算定します。
3:× 「全て借主負担」という定めだけでは、当然に通常損耗まで負担させることはできません。
判例(最判平17.12.16)は、通常損耗の負担範囲が具体的に明記され、明確に合意されていることを求めています。
4:○ 落書きは借主の故意・過失による毀損に当たります。
契約書に定めがなくても、借主は善管注意義務違反として修復費用を負担します(民法400条、621条)。
【ポイント】
「通常損耗・経年変化は貸主負担、故意・過失・善管注意義務違反は借主負担」が原則です。
借主負担の場合でも経過年数を考慮する点が、計算問題を含めて頻出です。