正答2
解説
正解は2です。
賃借人の修繕権、費用償還請求権、留置権、造作買取請求権を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 賃借人は、急迫の事情があるときは、自ら修繕することができます(民法607条の2第2号)。
賃貸人に通知しても相当の期間内に修繕されないときも、同様に修繕できます(同条1号)。
寝室への漏水は急迫の事情にあたるので、帰国を待つ必要はありません。
2:○ 賃借人は、支出した必要費の償還を直ちに請求できます(民法608条1項)。
必要費償還請求権は建物に関して生じた債権なので、支払を受けるまで建物全体について留置権を行使できます(民法295条)。
したがって、契約終了後も明渡しを拒むことができます。
3:× 賃借人が支出した費用の償還請求は、賃貸人が物の返還を受けた時から1年以内にしなければなりません(民法622条、600条1項)。
明渡しから1年半が経過しているので、賃貸人は支払を拒むことができます。
4:× 造作買取請求権(借地借家法33条)は、行使の意思表示だけで売買契約が成立する形成権です。
賃貸人が改めて売買契約を締結する必要はありません。
「売買契約を締結しなければならない」とする点が誤りです。
【ポイント】
必要費は直ちに、有益費は契約終了時に価格の増加が現存する場合に償還を請求できます。
造作買取代金債権は造作に関する債権なので、建物について留置権は認められない点と対比しましょう。