正答1
解説
正解は1です。
この問題は、借地借家法32条の賃料減額請求の効果を問うています。
この問題は不適切なものを選ぶので、○ が答え(不適切な記述)です。
【選択肢別解説】
1:○ 賃料が減額されても、敷金は当然には減額されません。
敷金は、賃借人の債務を担保するために交付された金銭で、賃料とは別の契約に基づくものです。
敷金の額を賃料の何か月分と定めていても、賃料減額に連動して返還義務が生じるわけではありません。
2:× 正しい記述です。
減額請求の当否は、請求の意思表示が相手方に到達した時点の事情で判断されます。
その後に生じた雨漏りによる価値の減少は、別途の減額請求などで考慮されるべきものです。
3:× 正しい記述です。
賃料減額請求権は、意思表示が相手方に到達すれば効力が生じる形成権です。
書面などの方式は要求されていないため、口頭でも行使できます。
ただし、後日の紛争に備えて内容証明郵便などで行うのが実務上は望ましいといえます。
4:× 正しい記述です。
裁判で正当な賃料が9万円と確定すれば、賃借人は毎月1万円ずつ支払が不足していたことになります。
賃貸人は、その不足分に法定利率による遅延損害金を付して請求できます。
【ポイント】
減額請求で、賃借人が多く払いすぎていた場合は、賃貸人が超過額に年1割の利息を付けて返還します(借地借家法32条3項)。
増額請求の場合は、賃借人の不足分に年1割の利息を付けて支払う仕組みと対比して覚えましょう。