Aを賃貸人、Bを賃借人として令和4年12月1日に締結された期間2年の建物賃貸借において、個人であるCはBから委託を受けてAと連帯保証契約を同日締結した。
この事案に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア 保証契約は書面により締結されなければならないため、同契約がその内容を記録した電磁的記録によってなされても無効である。
イ Bが賃料の支払を遅滞した場合、AがCに対して連帯保証債務の履行を請求するためには、AB間の賃貸借契約を解除しなければならない。
ウ AC間の連帯保証契約は、主債務の範囲に含まれる債務の種別を問わず、極度額を定めなければ効力を生じない。
エ CがAに対して主債務の元本及び主債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供することを請求した場合、Aには情報提供義務がある。
正答4
解説
正解は4です。
この問題は、2020年4月施行の改正民法の下での連帯保証の規定を問うています。
令和4年12月の契約なので、改正後の民法が適用されます。
ア〜エのうち、記述として正しいものの組合せを選びます。
【記述別解説】
ア:× 電磁的記録による保証契約も有効です。
保証契約は書面でしなければ効力を生じませんが(民法446条2項)、電磁的記録でされた場合は書面でされたものとみなされます(同条3項)。
イ:× 賃貸借契約を解除しなくても、連帯保証人に履行を請求できます。
連帯保証人には催告の抗弁権も検索の抗弁権もありません(民法454条)。
主債務者が遅滞すれば、債権者は直ちに連帯保証人に請求できます。
ウ:○ 極度額を定めなければ効力を生じません。
賃貸借の保証は、一定の範囲の不特定の債務を保証する根保証にあたります。
個人が保証人となる根保証は、主債務の種類を問わず極度額の定めが必要です(民法465条の2第2項)。
エ:○ 賃貸人には情報提供義務があります。
主債務者の委託を受けた保証人から請求があれば、債権者は元本・利息・違約金などの不履行の有無や残額を提供しなければなりません(民法458条の2)。
正しいものはウとエなので、正解は4です。
【ポイント】
2020年の改正前は、極度額が必要な個人根保証は貸金等債務に限られていました。
改正後は賃貸借の保証人を含む全ての個人根保証で極度額が必要となり、定めがなければ保証契約は無効です。